僕がフィリピンのセブ島にIT留学を3ヶ月間している時にあるフィリピンの先生がフィリピンの貧困問題について話してくれたことがありました。
フィリピンの貧困問題は年々深刻になっている。セブ島のみならずマニラ、ミンダナオでも。。
この話を聞いて僕も激しく共感しました。フィリピンの貧困問題は今現在深刻な社会問題になっています。
今回はなぜフィリピンの貧困問題が年々悪化しているのかについて触れていきたいとおもいます。
この記事の目次
まず僕がフィリピンの貧困問題が悪化していると共感した理由

実は4年前に僕はフィリピンに短期留学したことがあります。その時は高校2年になる前の春休みです。
初めて一人で海外にでるということでしたのでフィリピン短期留学は自分の人生史上初めて異文化を肌で感じて、日本の常識から離れてフィリピンでの生活ができたいい経験でした。
そんな経験をしている中で一番強烈で日本では考えられないこと、想像もつかないことがフィリピンでおきました。
それは初めてストリートチルドレン、物乞いを見たことです。
当時の僕からすれば、その光景を見た瞬間ものすごい衝撃を覚え、日本とフィリピンの貧困の差を肌で感じました。
彼らはなんでこんな生活をしているんだろう。生まれた国、場所が違うだけでどうしてこんなにも違いすぎる生活を強いられてるんだろう?
当時の僕は日本に帰った後もひたすら考えて考えて考えまくりました。
そしてあの光景から約4年が経って、今大学を休学してセブ島にいます。現在は4年前と同じようにフィリピンへ行ったわけですが、やはりそこには4年前に見た光景が広がっていました。
4年経って、フィリピン経済はますます右肩上がりで今後の成長が期待されている新興国ですがその裏に潜む深刻な貧困問題。
だからこそフィリピンの貧困問題はますます広がっているという意見に共感できたのです。
またセブ島最大のゴミ山があるイナヤワンという場所にも行ってきたのでそちらも一読してもらいたいです。

どうしてフィリピンは貧困問題を抱えているのか

なぜフィリピンでは貧困問題が広がっているのでしょうか?そこには様々な要因が混在していました。
・フィリピンの歴史問題
・現地支配者の政治関与
フィリピンの歴史問題

もともとフィリピンは300年間スペインの植民地として支配されてきました。
スペイン貴族や現地人支配層たちにプランテーションで得られた売り上げは搾取され、フィリピン人の貧困が広がっていったのです。
フィリピンの潤った大地はほとんどがカトリック教会・地方提督・スペイン貴族・現地人支配層の持ち物となってしまい、フィリピンの人々は小作人として、タダ働きを強制されたのです。
そして1898年にスペインとアメリカが戦争を初めてアメリカが勝利し、フィリピンはアメリカの植民地となりました。
しかしアメリ支配になってもフィリピンの支配層構造は変わりませんでした。むしろ新たに中華系商人が介入してきてフィリピン人から土地、財産を搾取していくのです。
フィリピン人の生活は重税に縛られており、収入はほんの少しでした。明日をも生きていけるかどうか考えてしまうぐらい深刻な状況に。
その一方で、現地人支配層はスペインとつながることで、フィリピン人が所有していた土地、財産を奪い取り存在力を高めていったのでした。
フィリピンにおける貧富の差はスペインやアメリカの世界の植民地時代に構成されたものなのです。
今も続くカトリック教会、現地人支配層による政治関与
現在多くのフィリピン国民に懸念されているのがフィリピン政府の政治体制についてです。
フィリピンの貧困問題の原因は歴史的背景も大きく関与してますが、それ以上に今のフィリピン政治の腐敗によるものだという声がフィリピン全土であげられてます。
ドゥテルテ大統領が政治を仕切っていることがフィリピン政府が腐敗している原因であるのか?
いいえ。それとは少し違います。2016年6月に就任したドゥテルテ大統領はどちらかといえば今のフィリピンの体制を大きく変えようとしています。
彼はフィリピンの貧困問題を引き起こしている農地解放を進めてます。
またフィリピン支配層は今でも政治に絡んでおることが多く、多くの政治家はもともと支配層階級からが多いことも政治腐敗の原因としてあげられます。
ドゥテルテ大統領はこうした問題を解決しようとしており、大統領の今後の抜本的改革に期待するばかりです。
フィリピン人の平均年収は約48万円。

国家統計局国際労働機関(ILO)の調べによると、フィリピンの平均年収は、約48万円(約23万ペソ)となっており日本と比較したところおよそその額は10分の1。
日本のおよそ5分の1〜10分の1と呼ばれているほどフィリピンの平均収入は低いです。
下のグラフがアジア新興国の月収を比較したものです。
人口 | 平均月収 | |
日本 | 1億2000万人 | 34万円 |
マレーシア | 3200万人 | 15万円 |
タイ | 6500万人 | 9万円 |
フィリピン | 1億800万人 | 4万円 |
この表からもわかるようにフィリピンの平均収入は他のアジアの国と比べても圧倒的に少ないです。
それに加えて今フィリピンでは失業率が上がっており、仕事を探すのでさえ困難な状況に陥ってます。
フィリピンで仕事を探すのが困難であるので日本語を勉強して日本に出稼ぎに出かけるフィリピン人も少なくないです。
圧倒的に少ない収入、仕事探しが困難な状況が重なり合って今のフィリピンの貧困問題を作り出している現状も否定できないです。
フィリピン国内の急速な人口増加と人口問題

現在フィリピンの人口は1億98万人に上ります。
2010年の人口は92,337,852人であるのにも関わらず現在は1000万人も増加しておりフィリピンの人口増加は貧困問題の直接的原因としてあげられています。
フィリピン国内での性教育が行われない

フィリピンでは未成年の妊娠が近年増加しているそうです。
それは紛れもなく学校教育の一環として性教育が行き届いていないことがあげられます。そのため、18歳になる前に妊娠してしまい人生が変わってしまう人が数多く存在してます。
でもどうしてそんなことが起きているのか。
それはフィリピン人が信仰しているカトリック教会がモラルに反すると言う理由でタブーにしているからです。
今でもカトリック教会の力が強く社会に根付いているフィリピンではカトリック教会の考えに反する行動や言動は慎まれているそうです。だからこそフィリピンの人口は増え続けており食糧危機にも苦しんでいます。
ドゥテルテ大統領も未成年への性教育を進めていくそうと言う方針を打ち出してます。今後カトリック教会との話し合いが必要になってくるはずです。
終わりに:なぜフィリピンから貧困問題が消えないのか?

最後まで読んでいただきありがとうございました。今回はフィリピンが抱える貧困問題を様々な角度から読み解いていきました。
日本人に大人気でありセブ島も華やかでリゾートなイメージとは裏腹に深刻な貧困問題を抱えています。
この記事を読んだことでフィリピン全土に広がる貧困問題について少しでも現状を伝えられてら本望です。
追記:是非この動画も見て欲しい
セブ島に留学している時にとある知り合いの団体さんの活動にお邪魔させていただきました。それはその日暮らしするのも精一杯の子供たちへの炊き出し活動です。
生まれながらに不自由な生活をしてきたことのない僕にとってフィリピンで見たあの光景は酷く脳裏に焼きついており僕に何ができるのかと考えた結果、団体さんの許可を得てその活動に関する動画を作りました。
是非この動画を見て世界で起きている問題に目を向けて欲しいと思ってます。よろしくお願いします!